「ブリューゲル展」観てきました

なので、都美に行きました。

鑑賞券については、母が以前、地元の新聞店のプレゼントコーナーに申し込んでくれていたもの。あまり人気のない展覧会は結構な確率で当たるのです(苦笑)。

で、ブリューゲルです。

ブリューゲルと言えば、バベルの塔ですが、わたしはもちろんバベルの塔も好きなのですが、ウィーンの美術美術館でも観た農民の暮らしとか、冬の風景の絵も好きなのです。人のフォルムがちょっとデフォルメしてあるような感じが親しみが持てて良い。

あとバベル展で観た「ボス」風の不思議系の生物の絵、あれも面白い。幻想的というのとも少し違って異世界という感じですかね。魚から人間の足が生えているとか、あり得ないものが突然歩いているという面白さ。

そのブリューゲルなのですが、ピーテルさん。彼には実は子供たちがいて、曾孫の代まで約150年ぐらい続く画家一族であった、という事実がありまして、今回はその子孫曾孫にスポットを当てた展覧会となっています。

BS日テレのぶら美など見ていますと、山田五郎が時々「花のブリューゲル」とか言って、息子の作品を紹介するようなこともありましたし、ピーテルを名乗る息子も居たことなどなんとなく知っていました。

展覧会ではそれほど時系列を意識することはなく、テーマ別の展示ですかねぇ。

とはいえまずは元祖初代ピーテルさんの画家となる背景、なった後の仕事から展示は入っていきます。当時は工房制度なので、工房の作品、祭壇画などの展示がありました。ブリューゲル一族の作品だけでなく、周辺の画家の作品も展示されています。ボス系のものや、バベルの塔インスパイア系の作品もありました。

次は風景画のコーナー。子供たち以降の作品がここから展示されています。風景画といっても時代的にまだ完全な風景画というよりは、風景の中に人がいます。中でも面白かったのが「種をまく人のたとえがある風景」という絵でした。種を蒔く場所によって、育たなかったりするのが、キリストの説法のメタファーとなっている、ということらしいです。

大きな風景の中、近景に種を蒔く人がいて、中景の港のところに説法をするキリスト(らしきもの)がいて、遠くには雄大な風景が広がっているという絵でした。史上最少のキリスト(らしきもの)ではないでしょうかねぇ。5mmぐらいかな(苦笑)。その他、当時のネーデルランドの何気ない風景も良かったです。市場から帰る農民とか。

次のコーナーがピーテルさんお得意の冬の風景、そしてお城などの風景画。冬の風景は、息子ピーテルが父ピーテルの模写を結構していたらしくその展示などありました。もっとも父ピーテルは息子たちが小さいころ亡くなっていたので、母方のおばあちゃんから絵を習ったとのこと。そういった意味では父ピーテルより前からすでに「画家の系譜」だったのかも知れませんね。

このコーナーで好きだったのは、父ピーテルの息子であり、花のブリューゲルであるところの父ヤンが書いた素描の城。簡単なスケッチなのですが味がありました。それと正確。緻密なところは親父譲りなのかも知れませんね。

次が旅の風景のコーナー。大きな船もモティーフとして好まれたそうです。やはり大きな風景の中の人、という位置づけでしたね。

そして、神話と寓話のコーナー。四大元素とか、感覚(嗅覚、聴覚といったもの)の寓意については、特にグッと来なかったです。アルチンボルドの方が面白かったかな(苦笑)。父ヤンの息子の子ヤンとアンプロシウスの作品。

そのあとは静物画のコーナー。「花のブリューゲル」の面目躍如といったところですが、超絶リアルというわけではないので、グッとくるものはなかったです。花にそれほど興味がないのでそういうことになってしまいます(笑)。でも大理石に描かれた虫...となぜか蝙蝠の絵は面白かった。飛び出すほどリアル、という音声ガイドの解説は言い過ぎだと思いますけれどもね。これは父ヤンの孫のヤン・ファン・ケッセルという人の絵。

最後が父ピーテルの代名詞ともいえる農民の絵のコーナー。子ピーテルの模写や、周辺の作家の農民の絵でした。婚礼の絵でしたが、参加している人が心から笑っていないのですわ。父ピーテルの絵も似たようなものですけれどもね。

この展覧会ですが、空いていました。まだ長い会期が始まったばかりだからかな。ゆっくり観られたのは良かったな。

ともかく、ブリューゲル一族の長い歴史が分かった展覧会でした。個人蔵のものが多数でしたので、もうこのレベルでまとまったものは観られないかも知れませんね。